安くてイイ家を建てるための秘訣とは？
それは『家をコンパクトにすること』です。
 家をコンパクトにすることで、家のコストを落とすことが出来ます。大きな家で、キッチンやお風呂などの設備のランクを落としたり、断熱や材料などの仕様を落とすよりはるかに簡単だし、大きく価格を落とすことが出来ます。
例えば、あなたが建てたいと思っている家が35坪で、出てきた見積りが2000万円だったと仮定します。そこで、価格を少しでも落とそうと家の設備や仕様のランクを一生懸命落としたとしても、平均的に考えて50万円ぐらい、よく落ちたとして100万円ぐらいが限界ではないかと思います。それ以上・・・となると、結構な我慢と妥協をしなければいけないでしょう。そこで、ちょっと視点を変え、無駄なスペースを削ることで、少し家の面積をカットしてみたと仮定します。もし、35坪の家が30坪に出来たとしたらどうでしょう？あっという間に、同じ設備・仕様でありながら300万円近く安くすることが出来るんですよね。さらに300万円安くなって、借入額も300万円減ったならば、月々の返済額が約1万円も安くなりますし、銀行に支払う金利も何十万と変わってきます。また、面積が小さくなれば、多少ですが固定資産税も安くなりますし、なにより家がコンパクトになった分、ランニングコストとなる光熱費だって少なくなります。このように、家をコンパクトにすることが出来たならば、必然的に家のコストが下がり、またそれに連動して様々なコストも下がるということを覚えておいてくださいね！
でも、家をコンパクトにすることのメリットは、金銭面だけじゃなく、他にもまだ2つあるんですよね。
まずは１つ目が『部屋ごとの温度差が出にくい』 ことです。
大きい家だと、家全体に冷暖房が行き届きにくくなります。だから、人がいる部屋だけ閉め切って冷暖房しようとします。そうなると、冬になれば、リビングは暖かいけどトイレや洗面、お風呂などは寒い・・・逆に夏になれば、リビングはひんやり涼しいけどトイレや洗面などは暑い・・・ということになり、決して快適な生活なんて送れないんですよね。
さらに、このような暮らし方をしてしまうと、場所によれば結露が起りやすくなったりするので、そこにも注意しなければいけません。その分家がコンパクトであれば、全体に冷暖房が行き届きやすくなります。ここ最近は、国が定める断熱の基準がどんどん上がって来ており、ほぼ全ての家が断熱性にも気密性にも優れているでしょうから、空気が循環しやすい広さと間取りさえ心がけて設計してもらえば、とっても快適な家になると思いますし、寒暖差が原因で起こるヒートショックなども、ほぼ完全に防ぐことが出来るようになるのではないでしょうか？
では続いて、もう1つのメリットについてお伝えします。
それは『お掃除するところが少なくて済む』ということです。これは奥さんにとっては嬉しいメリットだと思います。最近はお掃除ロボットが出てきたおかげで、お掃除が楽になったという声もよくお聞きしますが、普通に考えると、家が広いとその分掃除しなければいけないところは多くなり、キレイな状態を維持していくのが大変ですよね・・・しかも、可愛いからとか便利そうだからといって、飾り棚やいろんなものを置く棚をたくさん作ってしまうと、後からその掃除の手間に苦しめられることになってしまいます。
ですから、無駄なスペースや部屋、それから必要以上に凝った仕上げは極力省いていただき、家をコンパクトにしつつシンプルな仕上げることで、コストを削減し、将来に渡って維持管理が楽になるようにしていただければと思います。『友達の家が大きいから、自分の家も大きい方がイイ！』とか、『部屋も広い方がイイし、収納もいっぱい欲しいし、あれもこれも・・・』と考えてしまうと、どうしても家は大きくなってしまいます。
しかし、先程お伝えしたように、家が大きくなれば、金銭的な負担も増えるし、寒かったり手間がかかったりします。ですから、『これから先どういう生活が送りたいか？』ということを家族で話し合いつつ、出来る限り無駄を省いたコンパクトな家にしていただければと思います。とはいえ、家はコンパクトになればなるほど、あるものが高くなってしまいます。これは、一般的に家の価格の高低を判断する上で、最も認知されている基準なのですが、この考え方について、勘違いをしてしまっている方が多くいらっしゃるので、それを改めていただくべくその内容に触れていきたいと思います。