2025年12月20日 | お知らせ
家の価格は3つの要素があります
家の価格は、大きく分けて以下の3つの要素から成り立ちます。
・職人さんの手間
・建築会社の利益
・家の材料代
ですから、家の価格を安くしたり、値引きをするということは、この3つのうちのどれか、あるいは全部を安くするしかないわけなんですよね。では、それぞれ1つずつ考えていきましょう。まずは『職人さんの手間』についてです。例えば、あなたが○○工務店と契約するにあたり、100万円もの費用を値引きしてもらったとしましょう。(普通ならありえませんが・・・)そうなれば、その値引きされた100万円は、先程の3つの要素にそれぞれ負担がのしかかることになります。では、職人さんにのしかかった場合どうなるでしょうか?例えば、1日の手間代が15,000円の大工さんが、90日かけて建てる予定のお家であれば、大工さんに支払う手間代は135万円ということになりますよね。そして、仮にその手間代を工務店側から27万円値引き要求されたとしたら、大工さんは108万円で仕上げなければならなくなります。そうなれば、大工さんの1日の手間代は12,000円となり、1ヶ月で25日働くとしたら、月間で75,000円も手取りが減ってしまうことになるんですよね。もし、あなたがこの大工さんの奥さんならどう思います?月の給料が75,000円も減ってしまえば、生活がキツくなりますよね・・・となれば、この大工さん給料が減らないように仕事するようになりますよね。つまり、108万円で仕上げなければいけない家で、15,000円の手間代をもらおうと思うなら、90日かけて仕上げる予定だった家を、わずか72日で仕上げようとするわけです。これがどういうことなのか・・ご想像していただければお分かりになりますよね?そうです。もしかしたら早く終わらせようと雑な工事になるかもしれないですし、もしかしたら朝早くから夜遅くまで仕事をして近所からクレームの声が上がってきてしまうかもしれません・・・必ずしもこうなるわけではありませんが、要するにせっかく高いお金を出してローンまで組んで建てたのに、最終的に自分に跳ね返ってきてしまうかもしれないということなんですよね。そんなの絶対嫌ですよね・・・ですから、安さを売りにしている会社や簡単に値引きをしてくる会社は選ばないように気を付けていただければと思います。では続いては、安売りや値引きが『建築会社の利益』にどのような影響を与えるかについてお伝えします。一部例外もあるとは思いますが、驚異的に価格が安い住宅会社のほとんどは、前回お伝えした職人さんの手間代がものすごく安いことや、そもそも安い材料を使っていることは当然のことながら、なにより利益設定が低いという特徴を持っています。つまり、1軒あたりの利益はものすごく少ないのですが、数をこなすことによって 経営を成り立たせている、いわゆる薄利多売ビジネスであるということです。となると、最も経費がかさむと言われている人件費を削らざるを得なくなり、現場を動かす役割となる現場監督がいなかったり、安い給料で雇える現場経験が未熟なスタッフが現場を仕切らざるを得なくなってしまいます。そうなれば、気が付けば全く違う家に仕上がってしまっていた・・・という状況を招くかもしれません。また、アフターメンテナンスが雑になったり、下手をすると、してくれないことだって考えられます。そうなれば、もし調子が悪い部分が出たり、壊れてしまった時に、誰にもお願い出来ないというような、非常に困った状況に陥ってしまいますよね。さらに、そんな経営をしていたら、いつ倒産してもおかしくないわけなので、 もし倒産してしまった時には、そもそもアフターメンテナンス自体を頼む相手がいなくなってしまうという状況を招いてしまいます・・もちろん、住宅会社は一生懸命仕事をすることは、お伝えするでしょうし、アフターフォローもしっかりとしますと口では言うでしょう・・・しかし、現実は・・・ですから、目先の安さや値引きの誘惑に負けてしまい、後々困ったことになってしまった・・なんてことにならないように、安売りしたり、安易に値引きするような住宅会社には、気を付けていただければと思います。
最後に3つ目の要素である『家の材料代』について、お伝えします。ここは、今までとは少し違う視点でお伝えさせていただきます。家で使用する材料は、見た目は同じようなモノでも、いくつかのグレードが存在します。例えば、外壁材や床材といった目に見える材料もそうですし、断熱材や材木といった目に見えなくなる材料もそうです。そして、どのグレードを選択するのかによって想像以上に価格は違ってきます。ですが、それ以上に価格が大きく違ってくる要素となるのが、メーカーさんや取引業者さんからの材料の仕入れ価格です。この仕入れ価格が安いか高いかは、家づくりの価格に大きな影響を与えます。例えば、定価で100万円のお風呂があったとします。そして、その仕入れの掛け率がA社とB社で15%違うとします。すると、15万円という高額な費用が、たった一つの商品だけで違ってくるということになります。それに加えて、定価で100万円のキッチンの仕入れ価格までも、15%も差があったとしたら・・さらに、水回り商品だけじゃなくその他の材料も、この仕入れ価格が全く違っているとしたら・・そうですよね。同じ商品を使ったとしても大きく価格が違ってくることになりますよね。もしかしたら、あなたはこの違いを多く建てている会社とそうじゃない会社との違いと感じられたかもしれません。確かに、数の原理は存在しますから、それもあるでしょう。しかし、実際のところは、それだけの理由で価格差がつくわけではありません。つまり、建てている数が多いから必ずしも仕入れ価格安いわけでもなければ、建てている数が少ないから必ずしも仕入れ価格が高いわけでもないということです。これは、その会社の企業努力によるものですから、一概に言えませんが、“会社対会社”のビジネスも、結局は“人対人”なので、メーカーさんや取引業者さんたちから、『この会社のために力になってあげたい』と思っていただけるような熱意があり誠実な会社であるかどうなのか?が仕入れ価格に大きく影響するということなんですよね。とはいえ、多くの住宅会社がチープな材料を使って価格を下げるのではなく、仕入れコストを下げる努力をすることで、良い材料を使いつつ少しでも安く建てられるように努力しているものの、良い家を建てようと思えば手間がかかるわけですし、アフターメンテナンスサービスだってしていかなければいけないわけですし、そのためには会社を存続させなければいけないわけなので、やはりそれほど安く建てられるわけではありません。ましてや、家づくりにおいて国が定める基準も、どんどん高くなってきているわけなので、それに比例して材料代も、どんどん高くなってきているというのが住宅業界の現状でもあります。ということで、住宅会社を選ぶ時には、価格を最優先理由としないよう気を付けていただければと思います。良い会社には、良い職人さんたちとサポートしてくれるメーカーさんや取引業者さんたちがついているので、そこを見極めていくことが住宅会社選びでは大切だということを覚えておいてください。
とはいえ、安くてイイ家を建てたいと思うのが、誰もが願う当たり前の気持だと思うので、続いては『安くてイイ家を建てるための秘訣』についてお伝えしていきたいと思います。
